眼鏡男子のあれこれ

眼鏡男子があれやこれやと書いていくそんな場所。

僕の顔には何て書いてある?④

   最寄駅から歩いて数分のところに今日の舞台はあった。容赦なく照りつける日差しから逃れるように、若葉色の建物に入る。外が地獄とするならば、ここは極楽だろう。一歩踏み入れるとモノクロで統一された落ち着いた空間が迎えてくれた。

 

 

「こんにちは、本日のパーティーの参加者の方ですか。」

入口で立ち止まっていると声を掛けられた。そうですと答えると、

「こちらが受付となっておりますので、どうぞ」

誘導されるがままである。何せ初めての婚活パーティーなのだから。

「どちらの企画に参加されますか。」

1日でこんなにも婚活パーティーがここだけでも行われているのかと圧倒されつつ、自分の参加するものを答えた。

「こちらの企画に参加される○○様ですね。では会場はこちらになりますので…」

と地図を指差しながら説明を受ける。

「何かご質問などありますでしょうか。」

特にないですと答えると笑顔で見送ってくれた。良い出会いをとも。果たして今回の婚活パーティーでその“良い出会い”はあるのだろうか。と考えながら歩みを進めていると会場の入り口に辿り着いていた。扉の脇に今回の企画の名前にハートが散りばめられたボードが立てられていた。

   よし、と心の準備をし、僕は扉を開けた。